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油屋解体見学会
平成27年11月28日に解体中の旧松崎旅籠油屋見学会が開催されました。当日はあいにくの曇り空でしたが、地域住民の方をはじめ、古民家、古建築に興味を持った方など28名の見学者が訪れました。
10月から復原を目的とした解体作業が始まり、柱と一部の土壁を残し、骨組みだけになった油屋は、基礎の礎石の上に乗っただけの柱や柱を継いだ「根継ぎ」の様子、トタンの下に残る茅葺屋根を内側から見ることができ、皆さん建築当初の油屋を想像されながら興味深そうに見学していました。
解体された部材からは慶応元年(1865)や文久4年(1864)と墨書で書かれたものが見つかり、油屋の建築年代は1864年以前に遡るようです。中には大工の名が書かれたものがあり、油屋建築に加わることが大変喜ばしかったことがわかります。そのほか象の落書きがされたものもあり、大工の遊び心が垣間見えます。
これら解体された部材が保管されている保管小屋では、大工道具の実演、体験も行なわれました。台鉋(ダイガンナ)や鉇(ヤリガンナ)を使って柱の表面を削り、仕上げる方法や手斧(チョウナ)を使って、柱などの部材を削り、形を整える方法など最近では見られなくなった大工の手仕事が見られるとあって、実演会場は見学者で溢れていました。鉋を使ったヒノキの削りかすは、数ミクロンという薄さで反対側が透けて見え、削る体験をされた方は記念に持ち帰っていました。
平成28年3月頃までには、油屋は解体が完了する予定です。茅葺屋根や大黒柱といった全ての部材が取り除かれ、もっと古い年号の書かれた部材が見つかるかもしれません。もう少し先のことになりますが、平成31年春に復原される予定の油屋にご期待ください。
▼ 解体見学会写真がスライドします