大刀洗・小郡散策ハイキングについて
 

 地域文化観光実行委員会(事務局小郡市の歴史を守る会)が主催する「大刀洗・小郡散策ハイキング」が、平成28年11月23日(水・祝日)に行われ、43名(うち子供さん2名)の参加者がスタート地点・大刀洗町の大堰神社から小郡市の松崎宿まで歩きました。

※地域文化観光実行委員会は平成27年4月1日に発足した、小郡市・大刀洗町の文化遺産を調査・研究し、その普及啓発や、それらを活用した観光の推進を図ることを目的とした団体です。

 
 

 受付は午前9時15分から。大堰神社境内で受付が行われました。

 オレンジのウィンドブレーカーを着ているのはスタッフです。

 

 受付後に「大刀洗町ふるさと案内人」の皆さんによる床島用水・五庄屋にまつわる「筑後川と大堰神社」と題する紙芝居が上演されました。参加された方々のほとんどは大刀洗町と小郡市の方でしたが、初めての紙芝居を大変興味深く観覧されました。紙芝居終了後にはたくさんの拍手が起こりました。

 

 紙芝居ののち、いよいよハイキングスタートです。今村教会まで3班に分かれて出発しました。途中には大堰神社の真下を通る床島用水やそこから分岐する数々の用水路群、高助堤防、大地に広がる田畑があり参加者の目を楽しませました。

 

 今村教会では休憩を取るとともに、再び「大刀洗ふるさと案内人」の方々の説明が行われました。なお、今村教会は平成27年に国の重要文化財に指定されています。双頭を正面に配したロマネスク風の教会で、大正2年(1913)に名工鉄川与助の設計により竣工しました。

 

 今村教会から次は下高橋官衙遺跡へ向かいました。その道中にも上高橋老松神社・下高橋竈門神社があり見学しました。どちらの神社も11世紀中ごろに勧請された古い神社です。

 

 下高橋官衙遺跡は、小郡市の上岩田遺跡や小郡官衙遺跡とともに、かつての地方の役所跡であると考えられています。この3ヶ所の遺跡は歴史的に関連付けられている遺跡です。

 

 松崎宿は、薩摩街道が参勤交代の道となった1678年(延宝6年)より宿場町として整備されました。また、松崎には久留米藩の支藩として松崎藩が寛文8年(1668)から貞永元年(1684)まで存在していました。今でも町の中には時代を偲ばせる文化遺産が存在しています。

 

 昼食は嘉永2年(1849年)に上棟され、平成27年に復原された中油屋のお座敷で。約9キロのハイキングでしたので、お弁当と地元「油屋の保存と活用を考える会」より差し入れされた豚汁に、皆さんは舌鼓を打っていました。

 その後解散となりましたが、希望者には松崎宿北構口などを案内し無事にハイキングは終了しました。

<地域文化観光実行委員会 委員の感想>

 

 実行委員会が結成されて早2年――お互いの市町のことをほとんど知らない状態から始まり、時には歩き、時には語り合い、大刀洗町と小郡市の良いところを指摘し合って、気付き合って……気付けば、散策ハイキングの本番を目前にしていました。
 具体的な散策スケジュールが出るまでは「9kmも歩くのは辛い」「説明する自信が無い」など鬱々とした不安ばかりが頭を占めていましたが、本番当日の天気が思わしくないことを知ると、意図せぬ内に「雨なんかで中止にしたくない」という強い思いが胸一杯に広がっていました。それはきっと、自分でも気付いていないうちに両市町に魅せられて、それを広く知ってもらいたいという気持ち故だったのでしょう。
 本番前日の夜まで空模様を心配しておりましたが、委員会メンバーの思いが雨雲を晴らしたのか、当日は気温も程良い散策日和となりました。参加された方は見覚えのある顔ぶればかりでなく、「大刀洗町と小郡市を歩いて文化遺産を知ってもらう」という目的に興味を持って応募した方もおられ、スタッフの解説を熱心に聞いたり、歩きながら気になったものがあれば尋ねたりするなど、全体的に見ても非常に充実した散策になったと思います。床島用水の話をして水路をたどる時など、水を田畑に引くための先人達の知恵や努力を思い、水門を見かける度に「これは3つに分かれていくんだね」「ここはこっちにつながるみたいだ」と、身を乗り出して観察されていました。自由参加であった昼食後の松崎宿散策にも多くの人が参加していただけました。「こんなものがあるなんて知らなかった」という言葉を聞く度に、ますますイベントを決行できて良かったと嬉しくなりました。
 大刀洗町にも小郡市にも、まだ地元の人すら認識していない文化遺産が路傍に佇んでいます。今回のような散策イベントを行うことで、参加者だけでなく、地元の人もその文化遺産の存在を知り、その魅力に気付いて、大切にしたいと思っていただければ幸いです。<I>
 11月20日(水)に、「大刀洗・小郡散策ハイキング」を実施しました。
大堰神社からスタートし、今村天主堂、下高橋官衙遺跡、松崎宿などを巡る約9kmのコースとなります。
  大堰神社や今村天主堂などそれぞれのモノには歴史があり、そのことを改めて学ぶことができ、大変勉強になりました。ただ、そのようなモノだけではなく、町には、今までの暮らしの積み重ねがあり、例えば小さな小道にも歴史があります。そういったことにも思いを馳せて歩いてみるとまた面白いと思います。
 今回、実際に歩いてみて初めて知ったことがたくさんありました。普段は車で通りすぎるような道でも、歩いてみると今まで見えてこなかった景色が広がります。
 平坦で田園風景や空が広がり、歩くと気持ちの良いコースとなっています。ぜひ、今回参加されなかった方も大刀洗町にお越しいただき歩いてみてください。<W>

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