小郡・大刀洗散策ハイキング 道中記
 

  地域文化観光実行委員会(事務局:小郡市の歴史を守る会)が主催する「小郡・大刀洗散策ハイキング」が、平成30年2月18日(日曜日)好天の中で行われ、47名の参加者がスタート地点・小郡市の甘木鉄道松崎駅から大刀洗町の大堰神社まで歩きました。

  今回は甘木鉄道さんにもポスター掲示などでお世話になりました。お礼申し上げます

 

  受付が午後12時から松崎駅前広場で行われました。そして、磯部委員長の挨拶があり、参加者47名が3班に分かれて松崎宿へ出発して行きました。オレンジとブルーのウィンドブレーカーを着ているのはスタッフです。

 
 

  松崎宿は、薩摩街道が参勤交代の道となった延宝6年(1678)より宿場町として整備されました。松崎には久留米藩の支藩として松崎藩が、寛文8年(1668)から貞享元年(1684)まで存在していました。今でも町の中には時代を偲ばせる文化遺産が存在しています。松崎宿では、最初に松崎宿歴史資料館を訪れ西郷隆盛が使ったと伝わる盃や、薩摩などの幕末志士の説明を聞き、つかの間、江戸時代にタイムスリップしました。旅籠油屋に向かう途中、「元禄十年」(1697)の銘がある石盥盤(せきかんばん)と言われる梅型(ハート型?)水盤があり、この説明を聞きました。

 
 
 

 復原工事中の旅籠油屋主屋で、平成31年3月竣工予定である江戸時代後期の旅籠建築の説明を聞きました。完成すれば隣接する座敷棟(中油屋)と一体化した、大型の旅籠建築を見ることができます。さらに薩摩街道沿いを南下しました。

  松崎宿南構口は松崎宿の南側入口になります。17世紀後半に松崎宿成立に合わせて築かれたと考えられています。およそ4m四方の石垣や、それに続く土塁や竹林が宿場の防御的な役割を果たしていました。

 
 

  下高橋官衙遺跡は、小郡市の上岩田遺跡や小郡官衙遺跡とともに、古代の地方役所跡(評・郡衙)であると考えられています。この3ヶ所の遺跡は歴史的に関連付けられている遺跡です。上岩田遺跡から小郡官衙遺跡を経て下高橋官衙遺跡へ役所が移動したと考えられています。ここで休憩と見学をしました。

 

  下高橋官衙遺跡を出発してから下高橋竈門神社・上高橋老松神社があり見学しました。どちらの神社も11世紀中ごろに勧請された古い神社です。

 

  今村教会では休憩を取るとともに、「大刀洗ふるさと案内人」の方々の説明が行われました。なお、今村教会は平成27年に「今村天主堂」として国の重要文化財に指定されています。双頭を正面に配したロマネスク風の教会で、大正2年(1913)に名工鉄川与助の設計により竣工しました。

  広い田畑の真ん中に造られた桜並木の高助堤防と陣屋川の下を通るサイホン式樋門の北水道樋門で説明を聞きました。遠くに英彦山、天山、宝満山などが見え参加者の目を楽しませました。

 
 

  大堰神社に近づくと、神社の真下を通る床島用水が見られました。いよいよ終点の大堰神社が見え、最後に神社への石段を上がって無事到着しました。約9キロのハイキングでした。境内の公民館では「大刀洗ふるさと案内人」の方々が、温かい「生姜湯」と「バンペイユ砂糖漬け」を振舞われて参加者の疲れをほぐしてくれました。

  今回のハイキングは事故もなく無事に終えることが出来ました。ご協力頂きました関係各所にお礼申し上げます。