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長崎街道歩き旅
9月シルバーウィーク初日、我々の長崎街道歩き旅は始まった。出発地は内野駅である。なぜ内野を出発地にしたのかというと、1年半前、我々のうち4人のメンバーが、既に山家から内野までの冷水峠を踏破していたからである。
言い忘れたが、今回のチャレンジメンバーは、年齢順に、磯部・朽網・吉村・岩佐・片岡・淺川である。平均年齢約65歳であるから、必ずしも若いとは言えないが、それでも昨今ブームになっている街道めぐりの参加者に比べると、若干は若いはずである。
さて、細かな距離はパソコンのグーグル地図で測ったものである。歩行距離は2日間合計で35.6kmになる。歩数は、吉村さんと朽網さんが測っていたので、そちらの旅行記に譲る。
集合地:JR原田駅
横山峠
肝心の旅行記を書かなければならないが、いろいろありすぎて何から書いて良いものか迷ってしまう。ともかく、地図を見ていただくと、よくもまあこの距離を踏破したものだと感心してしまう。正直に告白する。1日目の午後は、みんなで「ずる」を決め込んだ。
最初から飛ばしすぎて、休みも取らずに、内野から飯塚まで3時間を歩き続けた。その結果、体が無理してしまい、予定していた飯塚から小竹まで、JR福博ゆたか線のお世話になったのである。予定していたこの区間8.6kmは優雅な列車の旅となった。
6人の怠け者の旅だったので、即座にそういうことが決まったが、みんなが頑固者だったり、公務員だったり、もっと人数が多かったりしたら、こんな「柔軟」な対応は無理だっただろう。今思うと、この電車のありがたさは、私の中では一番の思い出かもしれない。
私は、帰り着いたJR原田駅で、「長崎街道 飯塚-武雄100km」のゼッケンを付けた人とすれ違った。途中でリタイアしたのだろう。その人は10秒間に1mくらいしか歩むことができず、膝は硬直して全く曲がらず、手摺に寄り掛かって、もがいていた。救急車でも呼んでやりたくなる光景で、駅員も心配していた。あのお爺さんはどうなっただろう。
あの姿を見たとき、途中で電車にして良かったとつくづく思った。旅歩きは人生そのものだ。決して約束通りにはいかず、そして臨機応変に生きることを教えてくれる。
くどいようだが、電車に乗ったことのいいわけではないことを付け加えておく。(片岡)
(次の方に続きます)